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書店「漢聲巷」は市民大通りに隣接する八德路の路地にあり、入口に「漢聲」の文字が刻まれた巨大な毛筆が立っています。特殊な形の自動ドアは、葫蘆の中に「文化」という薬を売っていることを象徴しています。ここは書店であるだけでなく、多くの三十代から四十代までの人々にとって子供頃の成長にも大きな役割を果たす出版社でしょう。発行部数が25万セットを超える「漢聲小百科」と「漢聲小小百科」が生まれた場所、それが漢聲出版社です。

漢聲出版社が設立された1970年代は、中華民国が国連から脱退、多くの台湾人が自身の文化やアイデンティティについて混乱と不安を感じていた時期でした。後世から「漢聲四君子」と称される黄永松、吴美云、姚孟嘉、奚淞の四人は、英語雑誌「ECHO」を創刊し、この雑誌を通じて声を広めようと望んでいました。数年後、四君子は台湾人と対話するべきだと考え、「漢聲」雑誌の出版を手掛け、民間芸術、伝統や習わし、文化伝承の研究と発掘に努めました。そして1994年の第78号「龍潭聖跡亭の救出」では、一度は解体の運命に直面した惜字亭を記録し、彼らの努力により、台湾で現存する最大規模の惜字亭を最終的に保存されました。

1980年代に入ると、漢聲出版社の出版範囲はますます拡大し、1984年と1987年にそれぞれ台湾で最も知られている子供向けのシリーズである「漢聲小百科」と「漢聲愛の小小百科」を完成させました。この百科事典の内容は多岐にわたり、歴史や地理の紹介だけでなく、50年後(つまり現在)の世界の様子まで予測しており、数多くの台湾の子供たちに影響を与えました。現在の漢聲出版は新刊を刊行していませんが、店内に並べられた書籍や雑誌には当時の台湾の知識人の努力の痕跡が残っています。